自民党と日本維新の会の実務者協議のイメージ。国会議事堂と年金制度の書類を背景に「第3号被保険者制度 見直し 2026」のテキストを配置したアイキャッチ画像。

そもそも第3号被保険者制度って何?改正のプロセスについて解説

2026年4月14日、年金の第3号被保険者制度について報じられており、Xではサラリーマンいじめだ、さらに少子化が進むだ、第3号を減らしても第2号の負担は減らないだろうと様々なネガティブな意見が多かった。
筆者自身が、あまりこの制度とどのように改正されていくのか詳しくないので、勉強する気持ちでまとめました。

第3号被保険者制度とは

日本の公的年金制度(国民年金)では、加入者を3種類に分類している。 このうち「第3号被保険者」とは、会社員・公務員(第2号被保険者)に扶養される配偶者のうち、 年収130万円未満の人を指す。保険料を自分では納付せず、配偶者が加入する厚生年金制度全体で 費用を負担する仕組みのため、「専業主婦(主夫)年金」とも呼ばれる。

第1号
自営業者・学生など
自ら国民年金保険料(月額約1.7万円)を納付する。
第2号
会社員・公務員
厚生年金に加入。保険料は労使折半で給与天引き。
第3号 ★対象
第2号に扶養される配偶者
年収130万円未満。保険料負担なしで将来の基礎年金を受給できる。
なぜ問題視されるのか?
同じ専業主婦でも、自営業者の妻(第1号)は保険料を納付しなければならない。 一方、会社員の妻(第3号)は無負担で年金を受け取れる——この「不公平」が長年指摘されてきた。 少子高齢化で現役世代の負担が増す中、見直し論は加速している。

政策決定の全体フロー

年金改革が「専門家の議論」から「法律」になるまでの4ステップ。太枠リンクが一次情報源(公式・永続的)、細枠が報道参考リンク。

1
専門家による制度設計
社会保障審議会(厚生労働省 諮問機関)
専門家・労使代表がデータに基づき議論。第3号については「縮小・廃止」の方向性がすでに積み上がっている。5年ごとの「財政検証」がトリガー。
2
政党間の政治的合意★ 今ここ(2026年4月)
与党内調整 + 自民・維新 実務者協議
2025年10月の連立合意書に第3号見直しが明記され、今回(2026年4月13日)の実務者協議で「対象者を絞り込む方向」が確認された。
一次情報源(公式・永続的)― 日本維新の会 維新八策2026(公式) 維新八策2026(PDF)
報道参考(リンク切れの場合は書誌情報で検索) 読売新聞 2026/4/13 47NEWS 2026/4/13 日経 2026/4/13
3
政府の方針決定(骨太の方針)
閣議決定(内閣府)
実務者協議の合意内容が「骨太の方針」に書き込まれ、国家としての意思が確定する。2026年夏ごろの閣議決定が見込まれる。
一次情報源(参考): 骨太の方針2025(内閣府)
4
法案提出と成立(国会)
国会(厚生労働委員会 → 本会議)
厚生労働省が年金改正法案を作成し国会に提出。可決後、数年後の段階的施行が決まる。2027年以降の提出が見込まれる。
一次情報源: 厚労省 2025年年金改正

検討中の縮小策・3つの切り口

2026年4月13日の実務者協議で「方向性一致」が確認された。具体的数字は今後の協議で決定予定。太枠リンク=一次情報源(公式・永続的)、細枠グレー=報道参考リンク(リンク切れの場合は書誌情報で検索)。

案 ①
育児・介護期間のみに限定
子どもが一定年齢(例:12〜18歳)になるまで、または家族の介護中に限り第3号のまま据え置く案。それ以外の期間は保険料自己負担か就労への移行を求める。
影響:子育て一段落後の専業主婦(夫)は月約1.7万円の新たな保険料負担が発生する可能性。
案 ②
配偶者の高所得世帯を対象外に
扶養している配偶者(会社員等)が一定以上の高所得の場合、第3号の対象外とする案。「高所得世帯の優遇是正」を狙いとし不公平感の解消が主目的。
影響:世帯年収が高い専業主婦(夫)が対象外となり保険料負担が発生。所得閾値は今後の協議で決定。
案 ③
低額の保険料を段階的に課す
いきなり廃止ではなく、第3号の人にも数千円程度の保険料負担を求める移行措置案。急激な制度変更への反発を抑えながら段階的に縮小する経過措置。
影響:負担は小さいが「無負担で受給できる」構造自体が変わる。長期的には段階引き上げの可能性。
各党の政策的根拠:

【自民党】政権公約2026の社会保障章で「社会保険料等の負担を見直す」と明記。具体的な第3号の方向性は骨太の方針と社会保障審議会を通じて示される。
【日本維新の会】「維新八策2026」で第3号被保険者制度の廃止・見直しと現役世代への財源還元を明記。「全世代型社会保障への転換」の一環として位置づけている。

出典・根拠タイムライン

イベント発生順(日付昇順)。太枠リンク=一次情報源(公式・永続的)、細枠グレー=報道参考リンク(リンク切れの場合は書誌情報で検索)。

キーイベント(政治的合意)
確定済みの制度・法改正
今後の予測(確定情報なし)
2025年
2月
キーイベント
自公維 3党合意(社会保障改革)
自民・公明・維新の3党が社会保障改革で協議体を設置することで合意。「現役世代の保険料負担軽減を検討の軸とする」と明記。今回の実務者協議の直接の起点。
2025年
年金改正法
確定済み
2025年年金改正法 成立
「106万円の壁」撤廃(週20時間以上・年収問わず社会保険加入)と企業規模要件の撤廃が決定。2026年10月より段階的施行。
一次情報源(公式・永続的)
2025年
10月
キーイベント
自民・維新 連立合意書に第3号見直しを明記
連立合意書に「第3号被保険者制度の見直し」と「現役世代の負担軽減」が明文化。今回(2026年4月)の実務者協議はこの合意の具体化プロセス。
報道参考(連立合意書に言及)
2026年
4月13日
★ キーイベント(本日)
自民・維新 実務者協議 — 第3号縮小方向で一致
「対象者を絞り込む方向」で確認。「負担なく年金給付を受けられるのは不公平だ」との指摘と、現役世代の負担軽減を念頭に協議を進める旨が複数報道で一致して報じられた。具体策は今後「幅広に議論」するとされた。
一次情報源(公式・永続的)― 日本維新の会
2026年
10月〜
確定済み(法改正)
「106万円の壁」撤廃スタート
週20時間以上勤務で年収問わず社会保険加入義務。企業規模要件も撤廃。「パートで第3号」という形はほぼなくなる。
一次情報源(公式・永続的)
2026年中
⚠ 予測(確定情報なし)
実務者協議で具体的数字・基準を確定(予定)
注:以下は現時点での予測です。確定した政府・政党の公式情報ではありません。今後の協議・報道により変わる可能性があります。
「何歳まで育児特例か」「所得制限の閾値」など具体的な数字を今後の協議で固める。骨太の方針(2026年夏)への反映が見込まれる。
2027年
以降
⚠ 予測(確定情報なし)
年金改正法案を国会提出(予定)
今回の合意内容を反映した条文が厚労省で作成され国会に提出される見通し。
2028〜
2030年頃
⚠ 予測(確定情報なし)
段階的施行
いきなり全額負担ではなく数年かけた移行措置が想定される。2025年改正の前例と同様のアプローチが取られる見込み。

まとめ

第3号被保険者制度の位置づけはわかったが、残念ながら他の課題との優先順位を鑑みて、この制度に何か特別な不公平があるのか筆者はまだわかっていない。
政策がどのようなプロセスで決まっていくかを知れたのはとても良かった。
この内容を触れる次回があれば、議事録を辿って各専門家などの意見をまとめたものを読みやすく紹介したい。

【この記事の著者】

税理士 関 伸也(せき しんや)
STARUP税理士事務所

東京都江戸川区西葛西を拠点に、江戸川区・江東区・浦安・市川エリアの中小企業・個人事業主の税務・会計をサポート。
税務顧問・確定申告・節税対策・相続税・
クラウド会計(freee対応)など幅広く対応。
「税務を、一人で悩まない。」をモットーに、税理士が直接対応する地域密着型の税理士事務所として2019年に開業。
オンライン・対面いずれにも対応。
ChatworkおよびSlackによるチャット対応も行っている。