NISAの仕組みとNISA運用による税金について

目次

概要

この頃、老後資産は自分で積み立てないといけないなと思い、何気なく関連キーワードを検索してみると「アメリカ株式投資だ。VTI投資だ。まずはiDeCoNISAだ。」というような言葉に触れる回数が増え、初心者投資家の入口に立つものにとっては縁のなかった言葉が羅列し少々頭が痛い。

そのような投資の入口にいる方に、あらためてNISAの仕組みについて知って頂くとともに、購入時(入口)から売却時(出口)までの税金についてご紹介する。

また、機会があれば別の記事にてiDeCoについてもご紹介できれば思う。なお、20227月現在のNISAについて記述するため、改正後のもの(20241月から変わるNISA)については、随時別の記事にてご紹介させて頂くことをご了承いただければと思います。

NISAの背景

NISAの導入の当初趣旨

  • 家計の安定的な資産形成の支援
  • 経済成長に必要な成長資金の供給拡大の両立を図ること

(出典:金融庁ウェブサイト 別添2参考資料)

を目的とされ導入されている。

2014(平成26)1月に少額投資非課税制度(いわゆるNISA※愛称:ニーサ)がスタートしてから20226月現在で8年という年月が経過している。また、日本における直近のNISAによる買付額状況は、約23兆円となっている。上記の趣旨である家計の安定的な資産形成の支援という意味では、かなり有効性のある運用がされているのかなと感じる。

筆者も調べて初めて知ったが、このような単位の金額が市場へ流れていることに驚きであり、NISAがより有効性のある投資ツールであることが裏付けられていると思える

NISAの仕組み

NISAの仕組みを紹介する。

 ・対象者

日本に住んでいる20歳以上の者

※口座開設する年に20歳以上であること。

2023年は民法の改正に伴う成年年齢の引き下げに対応して18歳以上の者

・非課税対象

株式、投資信託等への投資から得られる譲渡益、配当金、分配金

・非課税投資枠

非課税となる株式等は毎年120万円が上限

・非課税期間

最長5年間

※ロールオーバーによる継続保有が可能である。

※ロールオーバーとは、非課税期間(5年間)が終了した際のNISA口座で保有する株式を翌年の非課税枠に移行することをいう。

・投資可能期間

2014年から2023年まで

2024年からは新たなNISAとしてスタートするため、現行NISA2023年まで。

(出典:財務省ウェブサイト NISA制度の概要から図を抜粋)

 この図がすごく分かり易いですね。NISA口座開設から毎年120万円の非課税枠が年分口座として枠が設けられ、1年分ごとに5年間の非課税期間に大きく値上がりをした際に売却すれば、本来の株式の譲渡益に課税される20.42%を課税されることなく100%の売却金額が手許に残ることとなる。また、仮に1年分の非課税期間が過ぎた場合は、ロールオーバーとして、新たな年分の非課税期間で再度5年間スタートすることを選択できる。

NISAでバイオ株やゲーム株で大きく値上がり時に売却できた人は、かなりの資産形成になり得そうですね。ただ、どちらの分野もプロダクトによる失敗による値下がり幅が激しいので、それらの分野はNISAの趣旨とは外れそうなのでNISA口座での購入はそれらを加味する必要がありますね。「投資は自己責任」ということですね。

NISAの税金について

 NISAの購入から売却までの税金について説明をする。

日本に住む26歳のサラリーマン

将来の資産形成の一環として2017年にNISA口座を開設し、毎年株式を購入した。2022年にB株式が大きく値上がりをしたのでNISA口座と特定口座のものを売却して、A株式はロールオーバーを行った。

 

2017年 NISAA株式120万円購入

2018年 NISAB株式120万円購入

2019年 NISAC株式120万円購入、特定口座でB株式120万円購入

2020年 NISAC株式120万円購入

2021年 NISAC株式120万円購入

2022年 2017年分NISAA株式(時価150万円)をロールオーバー、B株式を時   価520万円で売却

 

対象者

日本に住む26

非課税対象

株式の購入

非課税投資枠

2017年から毎年120万円上限

非課税期間

NISA購入したA株式のロールオーバー

2017年非課税口座が2021年で非課税期間の5年を経過するため、2022年にロールオーバーをした場合は、2017NISA非課税投資枠から2022NISA非課税投資枠へ移行となるため、2022年は新たなNISAでの購入はできない。また、ロールオーバー時に非課税投資枠の120万円を超える時価150万円になっていた場合についても、そのままNISA非課税投資枠120万円の枠での移行となるため、値上がり部分がロールオーバーによって課税されることはなく、全額新たな2022NISAとして投資したこととなる。なお、2022NISA非課税投資枠はロールオーバーによりNISA投資可能枠は0円となる。

 

NISA購入したB,C株式

非課税期間5年間の間に売却した際の売却益分は税金が課税されない。

 

特定口座で購入したB株式の売却

B株式は特定口座で購入しているためNISAと異なり非課税とはならない。

したがって、売却価格と購入価格の差額の利益に税金が課税される。

<算式> 売却価格-購入価格=売却利益

520万円-120万円=400万円

税金としては、売却利益に対して20.315%課税される。

400万円×20.315%=812,600

これがNISAを利用していれば課税されずに利益を100%享受することとなる。

最後に

現行制度は2023年までのため、2028年までの投資先の成長性を考慮して、今から口座開設、NISA投資を検討するのがベストかと思われる。今後も120万円の枠を拡大する方向に進展し老後資金のための資産形成ツールとなって欲しいものである。

なお、20241月からスタートする新しいNISAは、その期待とは少し違う方向へいったようである。詳しくは後日ご紹介する。

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